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[2006.12. 23]

ぜんそく 10年で倍 文科省まとめ


 ぜんそくにかかっている幼稚園児と小中学生の割合が今年度、過去最高を更新したことが21日、文部科学省がまとめた学校保健統計調査(速報)で分かった。10年前と比べ、幼稚園・小中学校いずれも2倍以上に増えた。同省は「大気汚染や室内環境の変化などが指摘されるが、ほかにも様々な影響が考えられ原因の特定は困難」としている。

 ぜんそくの割合は幼稚園が2.3%、小学校が3.7%、中学校が2.9%で、それぞれ前年度比0.8ポイント、0.5ポイント、0.3ポイント上昇。特に幼稚園は前年度(1.5%)の1.5倍に増えた。高校は1.6%で微減だった。
 調査を始めた1967年度以降、ぜんそくの園児・児童・生徒数は右肩上がりの傾向にある。10年前のぜんそくの割合は幼稚園1.0%、小学校1.5%、中学校1.4%、高校0.8%だった。
 文科省は増加の要因として、大気や室内環境のほか、子どもの体質の変化などを挙げ、「ぜんそくの診断ができる医療機関が増えたことで、学校が把握するケースが増えた可能性もある」(調査企画課)としている。
 調査は全国の幼稚園・小中高校の園児・児童・生徒から学校単位で22.5%を抽出して4-6月に実施した。
 文科省は、ぜんそく、アトピー性皮膚炎など子どものアレルギー疾患の罹患(りかん)状況を知るため、児童・生徒全員を対象にした初の全国調査を行っており、今年度内に結果を発表する。

大人も増加傾向
 ぜんそくはアトピー性皮膚炎と同じくアレルギー疾患の一種で、患者は子どもだけでなく大人も増加傾向にある。患者数は約400万人とされ、近年、吸入ステロイドを使い症状を自己管理する診療ガイドラインが普及したことで、ぜんそくによる死者は昨年約3千人と10年前に比べ半減した。ただ人口10万人当たりの死者は8.7人で、カナダの1.6人、英国の3.2人など他の先進国と比べると依然、高水準。
 死者の約9割は60歳以上の高齢者だが、近年、乳幼児や思春期の死者が増加しつつある。

原因解明まだ
国立成育医療センター総合診療部の赤沢晃医長の話

 ぜんそくなどアレルギー疾患の子どもが増えているが、理由は未解明の部分が多い。住環境や食生活の変化で子どもがダニやペットなどのアレルギー原因物質にさらされやすい環境になっているとの説があるほか、幼少期に感染症にかかる機会が減り、免疫系の働きに変化が生じたとする説もある。

日本経済新聞 2006年12月22日

 
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